第
三
門
で
ま
た
会
お
う
!
どうも。そのチートも、その強化付与も、そのセカンドライフも、いつまでも。パワヒです。
本日は漫画、
『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。 ~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~』
(原作:六志麻あさ 漫画:業務用餅)
についてレビューしていきます。長い。長すぎる。
漫画のレビューに入る前に、私はこの漫画をツイッターのRPかなんかで見かけたんですけど、その時に……
「すっげぇ悪趣味なタイトルだな!!」
と思ったんですよね。
このタイトルの『チー』の部分をcheese cattle🧀🐄の略称かと勘違いしていて、「昨今の露悪主義もここまで来たか……」みたいな謎感情に漬けられていたんですよね。『チート』の略称でした。勘違いも甚だしくて恥ずかしい。
でも冷静に考えて『チー』が🧀牛さんだとするなら、『付与』の部分はどういう意味になってしまうんだ……? あらゆる人にチー牛を付与しまくるゾンビパニック的な作品……?
ともかく、そんな勘違いに申し訳なく思い、今回はチー付与を全部読んだ次第です。ちなみにマガポケやコミックDAYSですぐ読めるので読んでくれよな!!!
チー付与はいわゆる『異世界追放』系の作品で、冒頭に主人公・レインがギルドを追放されることから話は始まる。
レインは強化付与魔術師で、様々なものに『強化ポイント』を割り振れることが出来たが、様々な理由(様々な理由{様々な理由})によりギルドマスターから追放を通知されてしまう。
しかし、ギルドマスターは知らなかった。
レインの強化付与はいつでも強化ポイントを『自分に戻せる』ことが出来るチートスキルであったことを……。
ここまで書くとめちゃくちゃなろう系ですが、ちゃんとなろう系です。序盤はね。
主人公・レインの能力は所謂チート系ではあるのだが、自分が強くなるわけではなく、自身のスキルである強化付与によって色々なものを強化していくタイプ。
ただの棒切れに圧倒的な切れ味を持たせたり、ただの石を爆弾みたいにすることが出来る。
チート系の話にお決まりの「ちょっと剣振ってみるか」→爆散していく敵たち→「えっ……俺の能力強すぎ……っ?」みたいな流れもちゃんとある。
しかしこの漫画、開始二話くらいでこの流れは霧散し、あとは覚悟ガンギマリの敵たちを相手に劣勢の戦いを繰り広げる硬派漫画へと変貌していく。
ちなみに敵たちがどれくらい覚悟ガンギマリかというと、敵の一人がレインに強化付与された縄によって足を拘束されるシーンがあるのだが、
その敵は縄が破壊不可能と見るや自らの足を自切して脱出するというガンギマリの行為に出ている。
やってることが別次元からやってきたディエゴ・ブランドーなんよ。作者の業務用餅はハンターハンターから影響を受けているのが全面に出ているせいで分かりづらいが、確実にジョジョからも影響を受けてると俺は思うね。
キャラクター紹介
レイン・ガーランド(cv山下大輔) 鳴き声「ギャヒ!」
『チー付与』の主人公。
作中で「飲もうぜ!」とか言っているが、精神年齢は超小学生。
息をするようにウザイ小ボケを放む傾向があり、言葉でボケられないような場面ではとりあえず犬の鳴き真似をする近づきたくないタイプの男。そのウザさはアッパー系コミュニケーションの頂点に君臨するレベルであり、例えるならTwitterのしょうもないボケをリアルにそのまま反映させたみたいなボケ方を連発してくる。
基本的に話をちゃんと聞かないし物事を正面から受け止めないため、好かれる人からは好かれるが気に入らない人からはとことん嫌われそうなタイプ。
しかしながらその本質はとんでもない善性の持ち主で、人知れず色んな人の精神を救ってしまっているタイプ。そういう意味では勘違い系主人公に近いのかもしれない。
この善性は作中内でも幾度となく描写されているし、作者である業務用餅先生の見せ方が上手いこともあり、レインが真面目になる=誰かが救われる。みたいな真っ当すぎる主人公像を写し出している。普通に良い奴すぎてビックリするんだよね。人の名前を覚えないのは明確な弱点だが……
なお、作中序盤では頭身が低く、服装もおばあちゃんに買ってもらったような服(原文ママ)なのでなんとも格好が付いていないが、ストーリーが進むにつれて徐々に頭身が伸びていきイケメン化するという逆蛙化現象が発生している。
特に作中内で変装をするシーンがあるのだが、いつもの服装と髪型を捨てた瞬間にシンプルなイケメンと変貌する謎ムーブを見せていた。しかも意外と周りがそれに突っ込まない……!
リリィ・フラムベル(cv Lynn) 鳴き声『ギャー!』
レインが作中内で加入するギルド 『青の水晶』に初期から加入している本作のヒロイン。
一応メインヒロインという役に付いてはいるが、チー付与は恋愛描写が皆無なので別にキャッキャウフフみたいなシーンはない。チー付与という作品自体は主人公の周りに沢山の女の子がいるハーレム系なのだが、本当に恋愛描写は皆無な上に奇声があちこちで飛び交う動物園状態なので一ミリもハーレムに見えない。どちらかというと男子寮。
リリィは初期こそトラウマ属性持ちで加入し。初期こそシリアスな雰囲気を醸し出すが、そのうちレインと一緒に奇声を上げまくる動物組に入園してくる。とはいえレインを励ますシーンや戦闘に参加するシーンもある上に、本人の気質自体はかなり真面目なので決まるところは決めているというか、「あっこいつ普通に良い奴だな」と思わせる描写は多々ある。普通に業務用餅先生の性格描写が巧みで腹立つんだよな。イカれたギャグやった次のページでまともなセリフ吐かせてるのどういう心情でやってるんだよ。
マーガレット・エルス(cv青山吉能) 鳴き声『Sexy』
チー付与の「あっコイツ普通に良い奴じゃないな」枠。
女に嫌われる女。多分男にも嫌われるタイプの女。でもチー付与のファンアートの五割はこいつで占められている。残り半分は半分組。
チー付与のヒロイン枠の一人だが、
なんと顔がチベットスナギツネ。
エルシー(cv潘めぐみ) 鳴き声『フゥ!』
『青の水晶』のギルドマスター。
二十代後半&女性でギルドマスター&経営下手で五億の借金を抱える&元Sランク冒険者などなどの属性を重ねられていった結果、当初の設定を完全無視した超絶有能キャラクターと化した傑物。
あまりにも有能度の上昇が著しすぎた結果、序盤と中盤以降で顔の作画が違いすぎる特徴を持つ。その有能ぶりたるや如何ほどというと
・実は最強クラスのキャラでした→有能か?
・経営下手だけど抗争の戦略的思考は得意→有能か?
・実は才能じゃなくて努力の積み重ねで強くなりました→有能か?
という、どこまで有能エピのわんこそば状態になってしまった。
ちなみに借金あるくせにパチンコ行くし酒飲むし知人殺された恨みでギルドマスターの役割忘れて個人的な復讐に走る。ギルドマスターにとことん向いてないし、なんか作者からの寵愛を受けてそうで最終的にセカンドライフ送りにされそうで怖いです。
マーガレット・エルス(cv青山吉能) 鳴き声『Sexy』
やめろよなんで2週目に入るんだよ。
チー付与の面白さとして、理不尽なギャグが挙げられる。
先ほどはうざいだのしつこいだの言いたい放題だったが、ハマる人にとってはしっかりと面白いものとなっている。
ここではその一例を紹介しよう。
「だったらなんだい!? オッパ○と承認に飢えてそうな不潔で哀れなオタクみたいな顔して!」
――おもしろいおもしろい
「陰口は陰気な間抜け専用の使いたい放題の無料アヘンだよ!? そりゃ反論されないだろうし強くなれた気がするだろうよ! でもそれはステロイドじゃない……ほんとは1ミリも強くなってないのさ!」
――おもしろいおもしろい
「いつもキモイんだよ! 土色の服なんか着やがってーッ! おばあちゃんに買ってもらったのか!?」
――おもしろいおもしろい
「サブマシンガン!? ウージー短機関銃じゃない!」
――マシンガン……? でもおもしろいおもしろい
「君には今日から、強化付与魔術師をやめて新人冒険者として生きてもらう」
――おお、そういう『有名税を防ぐ』みたいな展開も出来るのか。意外性あるけどこれも面白い。
「4.8秒あったろ!? 反応と高圧が遅ェ! オマエ本当にS級かよ!?」
――バトル描写もキレてるのか。どんどんチー付与が面白くなっていく……!
「これくらい お前らに全部食い散らかされるよりずっとマシだろーがあ~」
――うん、面白い。面白いけど。
「魔科両立。人類の歴史で誰もできなかった魔法と科学の両立をあなたはやったのよ」
――いやあの、これ……
「あ、そや 頭ぶっ飛ばしたらアカンで! 誰の死体かわからんなって懸賞金もらえなんだらワケわからんさかいな」
――――
「第三門で また会おう!」
面白さのベクトルが変わっていることに動揺を隠せないザウルス。
そう、チー付与の面白さはギャグではない。ギャグは面白いけど、そこではない。
チー付与とは、覚悟がガンギマリしてる奴らがぶつかり合い、覚悟の差で負けたやつから死ぬかセカンドライフ空間送りにされるという、ライトノベル抗争漫画なのだ。
なので血も出るし、足も取れるし、人が死ぬ。
あと業務餅先生がやたらと悪人を描くのが上手い。ヤクザを描くのが上手いし、半グレを描くのも上手いし、暗殺者を描くのも上手いし、果てには奸雄を描くのも上手い。どこが異世界漫画なんだよ。漫画のスキルツリーの解放順絶対間違ってるだろ。
更に、この作品には『セカンドライフ送り』という最大の強みにして最大の狂気的な現象が発生する。
これはどのような現象かというと、作中内のキャラクターが大切にしていた仲間・信条・価値観・希望といったものを打ち砕かれ、生きる意味すら失ったキャラクターが、それでも死ねずに生き続けるシーンをやたらと濃密に描くという現象である。死ぬほどギャグやってる漫画でこんなことするな。ビュッフェ形式の漫画か何かか?
全話を読み終えた今だからこそ、
『くぅ~! 業務餅先生の狂気たまんねぇ~w!』という顔を出来るが、初見で読み進めた時は本当にビックリした。何が始まっているんだと本気で思ったし、どんどんイカレた展開になっていくのにどんどん惹きこまれるのはインフルエンザの時に見る悪夢のような気分になった。
しかしチー付与は悪夢でも尋常じゃなく面白いので、凄まじいスピードで作品チケットが溶けていく。本当になんなんだよこれ。何を見せられてるんだよこれ。
ちなみにチー付与の原作は小説であり、現在2巻まで発刊されている。
そしてチー付与はそれのコミカライズ版であるが、小説と内容が全然違うことで話題になった。なお原作者はノリノリで漫画版を応援しているらしい。か…! 寛容すぎる…!
そのためチー付与の原作改変破壊は定期的に話題になっているのだが、こちらはそんなこと一ミリも知らずに漫画版を読み進めていたため、この話を始めて知った時に『何それ……知らん……こわ……」みたいな顔をしていた。
というか同じ漫画を読んでいたはずなのに、知らない話題で盛り上がっていて悲しくなった。
なんだよ。俺はシンプルに面白いと思ってパプサをしていたのに。教室に入ったらグループLINEの話題で盛り上がってた時みたいな悲しさに襲われたよ。
閑話休題。
古今東西、面白さのベクトルが変わる作品は病弱美少女のような儚さと燃え上がるような情熱を感じさせる。
『幽☆遊☆白書』、『リボーン』、『はねバド』……あとなんか最近だと『わたサバ』……いやなんか儚さはあんまり感じないかもしれない。
ともかく、『チー付与』もまたそのような作品の系譜であり、燃え上がるような情熱を感じさせる激熱漫画なのではないかと、俺はそう思う限り。
ちなみに一番のお気に入りはランタナです。ランタナって誰ですか?
次回はあの激熱バトル漫画のレビューを書きます。パワプロをやれ。パワプロブログなんだからパワプロをやれ。






