パワヒのパワプロを語るブログ

現役選手を作ったりペナント検証したりチャンピオンシップの話をしたりするブログ

「eスポーツ査定」は存在するのか? オーペナ検証勢&対人勢が軽く書いてみた。

 

 

※査定という見えないものを扱うため、どうしても主観寄りの記事となっている点にご注意ください。

※書き手は対人勢&オーペナ検証勢です。どちらかに極端な肩入れはしていません。

 

 

どうも皆さん、パワヒでございます。

めっきり気温が下がってきましたが、皆さんどうお過ごしでしょうか。

今回は「eスポーツ査定」について、話していきたいと思います。

さて、最近よく話を聞くようになったこの「eスポーツ査定」ですが、そもそもeスポーツ査定とはなんぞやという方に向けて

 

「eスポーツ査定」とは……KONAMIが主催する「eBASEBALLプロリーグ」あるいはパワプロ2022内のモード「チャンピオンシップ」における対人戦のために、KONAMIが選手能力に調整を加えているという予測から生まれた言葉。「松本剛選手のミートが低いのはeスポーツ査定だからだ」というような形で使われる。

 

はい、これがeスポーツ査定と呼ばれるものの内容です。

ではでは、本当にeスポーツ査定はあるのか? これを順序を立てて説明したいと思います。

順序としては、

①今までにeスポーツ査定はあったのか?

②今現在のパワプロ2022にeスポーツ査定はあるのか?

③これからのパワプロにeスポーツ査定は適用されるのか?

 

この三つの順序で話していきます。

それでは、まずは①から話していく……その前に!

皆さんに伝えておくべき、大前提があります。

 

先程書いた「eBASEBALL プロリーグ」ですが、2020年の開催を最後に、2022年10月時点まで開催されていません。また、公式からもeBASEBALLのプロリーグ、及び大会に関する発表は出ておりません。

公式で行ったイベントとしては「バーチャル開幕戦」や「eオールスター」など、勝敗を争うものではなくエキシビションとして行われたものばかりです。唯一、WBSCと連携したトーナメント戦が一度開催されましたが、こちらは架空選手を多く使用して行われた大会であるため、eスポーツ査定との関連性は低いと思われます

そのため、少なくとも2021以降のパワプロにおいて、公式大会のためにeスポーツ査定が行われた可能性はほぼ0と考えて問題ありません

プロリーグは2021年以降開催されてない。この事実を知らない人が多数見受けられるため、まずはこの点を認知してくれれば幸いです。

 

それでは、本題に入りましょう。まずは、

 

①今までにeスポーツ査定はあったのか? 

……結論から言いますと、それらしきものがありました。現状1つのアプデでしか確認できていませんが、状況証拠的にほぼ確実にeスポーツ査定と呼べる能力変化を確認しております。

それはパワプロ2020のver1.05→ver1.06でのアプデで起きました。

簡単に言うと、悪球打ちの選手が増えたのです。

この際、悪球打ちの選手の数は10人→14人に増え、それまで各球団にまちまちだった悪球打ちの選手が、全球団に存在することとなりました。

この悪球打ちの増加(というよりは配布か?)は、eスポーツ査定とみてまず間違いないと考えています。

というのも、この悪球打ちの増加、前振りがあるのです。

2020年eBASEBALLプロリーグオンライン予選」にて、

悪球打ちを持つバレンティン選手が無双するという事態が発生しました。

 

↑これが当時のバレンティン選手の能力。高パワー悪球打ちとパワヒ広角という組み合わせはオンライン予選で猛威を振るった。

 

このオンライン予選が行われたのがver1.05であり、悪球打ちが増加したのがver1.06。

この経緯を辿ると、悪球打ちの配布はeスポーツ査定である可能性が高いと考えられます。

また、同アプデでは、弾道4の選手に大幅な見直しが入りました。

具体的には、セリーグの弾道4の選手が6人増えた一方、パリーグの弾道4の選手が6人減るという能力変化が起きたのです。

それまではパリーグに弾道4の選手が偏っていたため、セリーグパリーグのバランス調整。と考えてもおかしくないと思われます。

弾道4に関しては一概にeスポーツ査定とも言い切れませんが、合計で±0になったことを顧みても、可能性はあると言えるでしょう。

これらの結論から、少なくともパワプロ2020ver1.06へのアプデで、eスポーツ査定らしき能力変化があった。ということが言えます。

 

 

②今現在のパワプロ2022にeスポーツ査定はあるのか?

おそらく、皆さんにとって重要なのはこの②だと思います。

前述したようにプロリーグは既に開催されていないため

eスポーツ査定があるとすれば、オンライン対人戦モードである「チャンピオンシップ」モードのために調整がなされている。ということになります。果たしてそうなのでしょうか。

まず、この真偽をするために、二つの仮定をする必要があります。

KONAMIが対人戦の状況を把握できている場合

KONAMIが対人戦の状況を把握できていない場合。

この二つの仮定をもとに、オンライン対戦、及び対人戦のeスポーツ査定がなされているかを考えてみます。

 

KONAMIが対人戦の状況を把握できている場合。

「どの球団が強く、どの選手が強く、能力がどのように対人戦に関与し、プレイヤーはそれに対してどう思っているのか」という部分をKONAMIさんが把握出来ていると仮定します。

もしこの仮定の通りなら、eスポーツ査定は(少なくともプロリーグ終了後は)行われていないと私は推測します。

それは何故かというと、パワプロ2021ver1.09~パワプロ2022ver1.07の約1年半の間、オンライン対戦において一部の球団が極端に強く、一部の球団が極端に弱い。という状況が続いたためです

この1年半の間、いわゆるナーフ(強すぎるキャラや武器を下方修正すること)は行われていなかったor殆ど行われませんでした。結果として、1年半もの間、一部の球団が極端に強い状況が続いたのです。

もし対人戦の状況を把握出来ており、かつその調整を行う気があるのなら、1年半という長い間、ずっと一部の球団が強いという状況にはなり得ない。と思います。

結果として12球団の戦力差は歪な状況になり、オンライン対戦ではその一部の球団ばかり使用されるという事態になりました。

このことを踏まえて、仮にKONAMIが対人戦の状況を把握出来ていたのなら、eスポーツ査定はまず行われていない。と言えるでしょう。

 

KONAMIが対人戦の状況を把握できていない場合。

「どの球団が強いのか分からんし、どの選手が強いのか分からんし、能力がどのように対人戦に関与するのかイマイチ理解してないし、プレイヤーはそれに対してどう思っているのかもさっぱり……」という状況にKONAMIがなっているという仮定です。或いは分からないのではなく、対人戦の状況を誤解している。という仮定でもあります。

この場合、eスポーツ査定を行っているかどうかを確認するのはまず不可能です。KONAMI側は対人戦に配慮して調整したつもりでも、プレイヤーにそれが伝わることはまずないためです。

例えば、「山本由伸のコントロールが低いのはeスポーツの影響だ!」という主張を以前見かけたのですが、結論から申し上げますと山本由伸選手のコントロールがCになろうがAになろうが、対人戦への影響は殆どありません。

しかし、もしもKONAMIが「山本由伸強すぎるからコントロールナーフしなきゃ…」という意図でコントロールをCにしたとします。その場合は対人戦の調整にまったく引っかかってない調整をしたことになりますし、「山本由伸のコントロールが低いのはeスポーツの影響だ!」と主張している人は対人戦に掠りもしていないものを対人戦での調整として叩いていることになります。地獄か?

要するに、KONAMIが対人戦の状況を把握できていない、或いは対人戦の状況を誤解している場合は、eスポーツ査定の有無は判別できない。またしていたとしても、それは対人戦に殆ど関与していない。という結論に至ります。

 

以上のことから、オンライン対戦モード「チャンピオンシップ」に対するeスポーツ査定は、行われていない。或いは行われていたとしてもユーザーに還元されていない。と言えるのではないでしょうか。

ここで私の主観を加えますが、さすがにKONAMIがそこまで対人戦の状態を把握できていないとは考えにくい(ないとは言い切れませんが)ため、少なくとも今現在において、eスポーツ査定がチャンピオンシップを考慮して行われている可能性は低いと思われます。

 

余談「"eBASEBALLパワフルプロ野球」という名称について。

よく、「タイトルを実況からeBASEBALLに変えたのだから、KONAMIはeスポやオンライン対戦を全面に押し出している」という主張を見かけます。

これに関しては、私の推測100%ですが……2020年当初は本当にeスポーツを全面に押し出すつもりがあった。が実情ではないかと考えているのです。

どういうことかというと、2019年のプロリーグが盛況に終わり、日本全体のeスポーツ推進の風を受けたKONAMIは、2020年当初はeスポーツを押し出したパワプロにしようと考えていたが、新型コロナウイルスの影響を受けて挫折したのではないか。という推測です。

実際、2020年プロリーグ前のアプデでこそ、①で書いたようにeスポーツに配慮したような能力変化が見られましたが、それ以降はeスポーツに配慮したような査定は確認できておらず、プロリーグも行われていません

また、「対人戦を全面に押し出している」という考えも間違っていると考えています

というのも、2018年でのチャンピオンシップは毎週数多くの大会が開かれておりましたが、2022年現在のチャンピオンシップでは開かれる大会は少なく、その上変わり映えもしない。という状態になっています。

また、パワプロ2022のプロモーションムービーではチャンピオンシップは一切触れられず(2020ではちょっぴり触れられていた)、2020までは見れていたチャンピオンシップのプレイヤーデータ(成績などを閲覧できる)という機能も、2022以降閲覧することが出来なくなっていますこれで対人戦を全面に押し出しているはちょっと無理があるでしょう。

ということで、「おそらく2020年当初はeスポーツを押し出す気があったが、コロナウイルス流行によって頓挫した」という推測をしていますし、2021年以降に「KONAMIはeスポーツや対人戦を全面に押し出している」という考えを主張している方は少々お門違いではないかと思います。

 

③これからのパワプロにeスポーツ査定は適用されるのか?

(条件付きで)十分あり得る。と考えています。

というのも、KONAMIはWBSCと連携し、対人戦に特化した作品、『WBSC eBASEBALLパワフルプロ野球』(仮)の発売を予定しています。このWBSCパワプロの発売に際してeスポーツに配慮した査定が行われる可能性は十分あるでしょう。

しかし、それはあくまでもWBSCパワプロが発売された場合。の話です今すぐどうこうなるということではありません。

そのため、向こう1.2年、少なくともパワプロ2022のシーズン終了後アプデにおいてeスポーツ査定が適用される可能性は極めて低いと言えるでしょう。

 

 

余談 eスポーツ査定! と主張する人の問題点

少し主題からは離れますが、私は「eスポーツ査定がある!」と主張している側にも多少の問題があると考えています。

その問題とは何かというと

・気に入らない査定を「eスポーツ査定」ということにしている

・「eスポーツ査定」とは言うが、その能力が対人戦にどう影響しているのか分かっていない

という二つの問題です。

 

・気に入らない査定を「eスポーツ査定」ということにしている。

読んでそのまま。自分にとって何か気に入らない査定があれば、すぐにeスポーツ査定だ! この選手の能力がおかしいのはeスポーツのせいだ! と主張する方々が見受けられます。

しかし、もしそうならeスポーツが始まる2016以前の査定は全て正しかったということになります

2016以前の能力を確認してみたら、その査定は完璧で素晴らしかった!

……そんなことはなかったですよね。2016年以前でもおかしい点はありました。

 

前述した通り、eスポーツ査定は少なくとも1度は確認されており、今現在もないとは言い切れません。しかし、気に入らない査定があればすぐにeスポーツに責任を押し付け、押し付けたものを叩くというのは、少々稚拙と言わざるを得ません。②や③で書いたように、現在eスポーツ査定が行われている可能性が低い現状においては、尚更そうです。

査定というものは一つの理由だけで決めるのではなく、複合的に様々な理由が絡み合って行われています。仮に能力がおかしいとしても、その”おかしい”要因は片手で数えきれないほど沢山あることでしょう。

「特能モリモリだから基礎能力が抑えられてる」理論について、納得がいかないので自らの見解を書く。

でも書きましたが、納得がいかないからといって、その理由を何か一つに押し付けるのは短絡的ではないでしょうか。

 

・「eスポーツ査定」とは言うが、その能力が対人戦にどう影響しているのか分かっていない

これ、結構多いと思います。

「山本由伸のコントロールが低いのはeスポーツ査定だからだ!」と言いますが、山本由伸選手のコントロールが低いとeスポーツにどう影響するのか説明できるでしょうか。

松本剛のミートが低いのはeスポーツ査定だからだ!」と言いますが、松本剛選手のミートが低いとeスポーツにどう影響するのか説明できるでしょうか。

ここの説明が出来ないor繋がりを理解していないにも関わらず、eスポーツ査定を槍玉にあげる方が少々多いです。

いや、別に全ての繋がりを理解しろ。とは言いません。「理解が及ばないのなら黙っていろ!」と右京さんばりの説教を垂れるわけでもありません

しかし、せめて自らがeスポーツ査定と言った選手くらいは、その査定がどう影響するのか、考えて、調べて、確認するくらいのことはしてもいいと思うのです。

別に毎回しろと言うのではありません。時々でいいのです。

何かに責任を押し付けるということはそういうことです。たまにでいいから、そのeスポーツ査定だと思っている能力の裏側を除いてみることも重要なのではないでしょうか。

 

 

まとめ

・eスポーツ査定はパワプロ2020ver1.06でそれらしきものが確認されている。

・オンライン対戦におけるeスポーツ査定はそれらしきものは確認できず、あったとしても対戦に影響は殆ど与えられていない。

KONAMIは2021年以降、eスポーツやオンライン対戦を全面に押し出してはいない。

・将来、『WBSC eBASEBALLパワフルプロ野球』(仮)に関連してeスポーツ査定が行われる可能性が十分ある。が、近況のアプデにeスポーツ査定が行われる可能性は低いと考えられる。

 

 

以上、eスポーツ査定に関する私見とまとめでした。

何かあれば、コメント欄或いは私のツイッターまで。@pawahigasuki

(なるべく早めの返信を心がけますが、場合によっては1日ほどかかる可能性があります。ご了承ください。

 

 

参考資料

1.パワフルプロ野球・デフォルト選手データ集

2.【パワプロ新作】日本語と英語に対応した『WBSC eBASEBALLパワフルプロ野球』(仮題)が発表。WBSCとコナミがeスポーツに関するパートナーシップ契約を締結 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com